こいしノート

エッセイ読むのも書くのも大好き人間です、小説も。 

ハエ(蝿)捕り コンクール

壺井栄の小説に「二十四の瞳」という、名作があります。書き出しは「十年をひとむかしというならば、この物語の発端はいまからふたむかし半もまえのことになる」と、こうでした。これを引用するなら、今日の、こいしのエッセイは、ろくむかしまえのことにな…

女性化乳房

「なんだって、おっぱいが大きくなったって? こいし、男だろ、そんなことあるはずない! いい加減なこと吹いて、クリックお願いだなんて、ふざけんな!」 まあ、そう、おっしゃらず、お読みくださいな。 心臓の左心房と左心室の間には僧帽弁、右心房と右心…

学友 I君

前回のエッセイでは、酒を飲まない唯一の友達を紹介しましたが、もう一人いました、学友のI君です。 I君は成績が良かったようで、こいし(私)が、ひいひい言って就職試験に駆けずり回っている頃はもう、美術部の後輩と、スケッチ旅行などを楽しんでいまし…

不良品率 ただ今 10割

こいし(私)の男友達の中で、唯一、酒を飲まないM氏が訪問してくれました。そして、コーヒーを飲みながら世間話をするうち 「ネットで買った、このMP3プレイヤー、いくらと思う? 量販店で買っても、一万円もするんだよ。それがたったの890円、もっ…

しじゅうからの恩返し

我が家の庭は猫の額ほどだが、昆虫はうんといる、みみず、ひき蛙も。足の踏み場もないぐらいに、草や低木があるからだろう。でも、残念ながら、小鳥は少ない。そこで、餌場を作り、呼び寄せることにした。そして対象は、しじゅうからに決めた。その理由は、…

フォークダンス大会

こいし(私)は、フレークの缶詰が大好物、それも「星〇水産」のマグロ。ところが近くの店では扱っていない。なので、歩いて四十分ほどの市場へ買いに行く。今日もその目的で向かっていると、通り道にある体育館の入り口に「フォークダンス大会 入場無料」と…

目白通りでは危ないよ

関越道に向かう大型車両も多い「目白通り」を横断しようとする、幼児とその祖母と思われる人が、ヨーイ・ドンの態勢を取っていた。そして、信号が黄色から青に変わると、全速力でこっちへ向かってきた。競争だったのだろう、この危険な光景を目にして、遠い…

「水虫」と「かぶれ」は大違い  たった五分で

一週間前、左足の指が、むず痒かったが、ほっぽっておいた。 その五日後の夜は風雨が強く、ところが、朝になると雲一つない。それを見て、ハイキングに行きたくなり、天覧山(てんらんざん)を経て、多峯主山(とうのすやま)へ登ることにし、朝食もそこそこ…

クモ膜下出血は恐い けど 恐くない

先日、新聞に「○○さん クモ膜下出血で死去」との記事が載っていた。それを見て、Mさんを思い出した。 十五歳上のMさんは設計なので、経理の私とは仕事上の繋がりはないが、会社の行事で席が隣になり、話すうちに気が合い、飲み友だちになった。 そんなある…

実るほど、頭のさがる稲穂かな

飲み仲間でクラシックに詳しい友が 「チェロ奏者の水谷川(みやがわ)優子は、近衛秀麿の孫でね、世界的な人なんだ。CD貸すから、聴いてみな。演奏会に、きっと行きたくなるよ」と、話しました。 家へ帰ってヘッドホンを耳につけると、友の言うとおりでし…

中秋の名月

九月二十二日の、SUMIPINOさんのブログ (http://sumipino1.exblog.jp/24674373/ ) に、ススキ、コスモス、リンドウの生け花と、十五個の団子を四角錐に盛った盆、それを「食べたいなあ」と言いたげな、プードルの写真が載っていました。伝統を風雅…

三宝寺の伝説と今

東京で三番目に古い遊園地「としまえん」から、川沿いを西へ向かうと、四十分ほどで石神井公園へ出る。そこには二つの池があって、名称は「三宝寺池」と「石神井池」と言う。 三宝寺池には史実と異なるが、こんな言い伝えがある。 「1477年(文明9年)…

死を知らずの言葉ですか

宗谷岬は北緯四十五度、沖縄の喜屋武岬は二十六度、であるなら寒暖の差があるはず。そうではあるが「暑さの果ても彼岸ぎり、寒さの果ても彼岸ぎり」との故事。 この頃になると、きまって、学生時代のサークル(器楽合奏部)仲間のS君が脳裏に浮かび、同時に…

はな子の お別れ会

私は、九月三日に催された「アジアゾウはな子のお別れ会」に参列し、関係者の思いやりと優しさに心を打たれました。 最初のは、市長が挨拶した中で、はな子を「はな子さん」と、呼んだことにです。 園長は「特設展示 はな子の69年」の挨拶文に、こう書いて…

百合(難しい話と恥ずかしい話)

兄は、日本ブログ村の「季節の花」街区に居を構えて、もう十年になる。半年前に訪問した時、兄のブログ「道草の時間」に目を通した。 http://michikusanojikan.at.webry.info/201607/article_3.html 「一昨年、カサブランカの球根2個を一つの鉢に植えました…

アジアゾウ はな子 ありがとう

昨年の晩秋、象のはな子が弱っていると聞き、年が年なので、ひょっとすると? 不安が過ぎり、井の頭自然文化園にある動物園へ、会いに行った。するとそのとおり、後ろを向いたきりで、左右に力なく鼻を振るばかり。 母親の胸から、じっと見ていた、くりくり…

たがいに惚れていたけれど

たがいに惚れていたけれど 四年ほど前に「男はつらいよ・寅次郎の旅路」の上映会と、竹下景子さんが「寅さん」をトークする招待券を、知人から貰った。 当日は朝から大雪が舞い、夕刻まで続くとの天気予報。銀幕スターは得てして我がままと聞く。この悪天候…

「あんポンたん」の梗概

猛暑が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。お元気なら、なによりです。 今日は前回に、お約束しました、ユーモア小説「あんポンたん」の梗概です。 第一部のエッセイは十二編からなり、十七人が登場します。そのうちの十一人は亡くなっています。 第二部…

わかい日にであっていたら

三年前、モーツアルトのヴェスぺレ(宗教音楽)を聴きに、JRの池袋駅から、目白台にある演奏会場の教会まで、いつもの散歩道に変え、歩きました。今日はその話で、これも「あんポンたん」の中の一編です。 わかい日にであっていたら 雑踏の駅から、しばら…

さしみの妻はいや

前回のお約束どおり、今回は持てなかった話で、このエッセイも、ユーモア小説「あんポンたん」からです。 さしみのつまは嫌 大学に入っての初授業は和文英訳だった。他校から来ていた講師は、自己紹介することなく、哲学的な長文を黒板に書き、入学年度と出…

指きりしたのに

私は昨年の秋「あんポンたん」というタイトルで二部作を書き上げました。第一部は思い出の人を綴ったエッセイで、第二部はエッセイの中で登場し、既に極楽浄土の住民になった人達が、もう来るだろう私の歓迎会を催すという、ユーモア小説です。 本日は、その…

思いでシリーズ(二)

暑い中、ブログ村のセカンドハウスにお越しいただき、誠にありがとうございます。猛暑の日々、熱中症にはくれぐれも、お気をつけください。部屋の中でも多いそうですよ。 「思いでシリーズ(二)」 母は平成十六年五月、心不全と心房細動で東京西部に位置す…

思いでシリーズ(一)

日本ブログ村にセカンドハウスを持つのが夢でした。それがやっと叶いまして昨日、竣工しました。月に二度ほど部屋の空気を入れ替えに行きます。粗末な狭い所ですが、どうぞ遊びに来てください。お待ちしています。 「思いでシリーズ(一)」 平成四年のある…