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こいしノート

エッセイ読むのも書くのも大好き人間です、小説も。 

女高生の会話で

 スマホがまだ無い時代、電車に乗っている人は、新聞や週刊誌を読んだり、居眠りしたり、お喋りしたり、いろいろだった。

 

ある日、出勤する電車の中で上司のKさん、女高生の会話を耳にした。

「あの人、あんなに新聞くっつけて、よく読めるわね」

「あの方、白内障だと思うわ。じいちゃんも、ああだったもの。でもね、簡単な手術で治ったのよ。早く手術したら良いのに」

この頃、書類が見え難くなっていた、Kさん、ひょっとして、俺、白内障? ふと思った。気が急いて、その日の午後、眼科医へ行き、その結果、ひょっとしてが当たっていた。

 

Kさんは大の酒好き、こいし(私)もそう。なので就業後、酒処へよく行く。今日もで、「お疲れさん」の常套句の後、Kさん、白内障のあれこれを話し始めた。掻い摘むと、こうである。

 「目が物を見るには網膜に景色が正しく映し出されることと、その情報を大脳に正しく伝えられることが不可欠である。それには、網膜まで確実に光が届かねばならない。

水晶体が白濁すると、光が眼の中に十分入らなくなり、物が薄暗く見える、それが白内障。では、何故白濁する? 

その要因は種々あるが、高齢からが一番。何年もの間、休みなく活躍して疲れ果て、機能の正常さが失われるからである。手術は濁った水晶体を取りのけて、人口レンズを入れる。短時間で終わり、その日に帰れる」

 

得意げに話した、Kさん、ビールをもう二本注文すると、思い出したように

「こい君、君、健康診断で、網膜血管硬化症って言われただろう? で、精密検査、どうだった?」

と、問うてきた。

「まだ、行ってないんです」

と答えると

「なにぐずぐずしてるんだ。明日、眼科医へ行って来な、部長命令だ!」

と言明。

行かざるを得なくなり、しぶしぶ行くと眼科医が、こう話した。

「高血圧が何年も続くと動脈が、しだいに弾力を失うのです。次の段階で血管壁の性質が変化して厚くなります。これが動脈硬化で、この症状が網膜に出たのは脳梗塞の前兆です。専門医を紹介しますので『MRI』検査をお願いしたら、良いと思います。ぜひ、そうしてください」

 

 MRIは問題なかったが、これを機に生活習慣を改めた。諸悪の根源、煙草も止めた。これにより、今日まで長らえた。

 

Kさん、今は札幌の人。今年届いた年賀状に「孫の結婚式で、五月五日に上京する。一杯やりたい」と、書いてあった。

待ち遠しいその日が来たら、聞いてみたいことがある。白内障の切っ掛けを作ってくれた、二人の女高生「どんな娘(こ)だったの? 綺麗だったの? 清楚だった?」

どうでもよいことではあるが、こういったことに興味を持つ、こいしである。

 

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