猫額でも花いっぱい 隣のお家
近所にシルバービラがあって、そこの住人で車椅子に乗る女性と押す女性が、隣家の庭を目にして「ターシャの庭みたいね」とか、それに類似するような会話をよくする。
こいし、それを初めて聞いた時、本棚から「ターシャの庭」を取り出した。
本には「ターシャの庭は六万坪」と、記載されている。それに比べ、隣家は普通車三台がやっと。だが、主婦のY江さんの花好きは、ターシャさんに負けないかもしれない。その証拠は、この庭。
(西側から中心部)
(東側から中心部)※こそ泥の被害にあった時、せめて外から窓が見えるようにと、お巡りさんから、注意を受けたそうな。
本日は生ごみ収集日、それを置いて戻るさい、今日を盛りと咲く「モッコウバラ」のアーチの下でY江さん、昨年の落ち葉を小枝で掻き分けている。目的を尋ねると
「今、ここにいたトカゲが隠れてしまったの。何(なに)トカゲなのか知りたくって・・・・・・」 子供みたいな表情で言う。
そうしている間、庭の奥に目をやると「クレマチス」が色鮮やかに咲いている。近寄って見てみたい、そう頼むと
「どうぞ、どうぞ。だったら、お願い、褒めながら見てあげて・・・。そうすると、もっと元気になって、綺麗にもなるの」
そういったことは聞いたことある。しかし、植物には耳がない、まさかである。でも、色白なY江さんの微笑んでの強い頼み、そうした。が、変化なし、当然だ。
250余の種類もある、それぞれの特徴や経歴(※採取した場所や購入店、その時の状況)を、見ながら教わった後、疑問を尋ねた。
「T男さん(Y江さんの夫)も、クレマチスや、これらの花に声を掛けるの?」と。
すると
「ぜーんぜん・・・・・それどころか、お前が死んだら、芝生にして、そこに椅子を置いて、ビールを飲むって言うの、シンフォニーを聴きながら。自分の方が、長生きするんだって、一回り年上なのに・・・・・・。憎らしいこと言うでしょう」
冗談ぽく、明るく答えた。
その雰囲気に、ついつられ
「こないだ一緒に飲んだ時『俺は病気の百貨店、いつ、どこで、ころっといくか分かんない。女房は病気知らずで、のほほん屋だから、百歳を超えるの間違いなし』って言ってたよ」
こいしの話にY江さん、大笑い。
その時、居間の窓から、T男さんが
「何の話で笑ってるの? こいさん(私、こいしの呼び名)上がってきなよ。コーヒー飲みながら、その面白そうな話、聞かせてよ」
耳にしたY江さん、唇に人差し指を当てた。話を、どう摩り変える? 少々、悩む、こいしだった。
Y江さんが選んだ、今咲く花のベスト5
(デンドロビューム) (ツボサンゴ)
※枝の間で育成
(コバノズイナ) (ヤマボウシ)※黄色
「※番外」
Y江さんが、山で採取した「アケビ」 昆虫がいないので受粉 Y江さん 奮闘したそう それでもやっと これだけとのことです 秋のおすそ分け、楽しみ
クリック お願いします
↓ ↓